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なんだか知らないが、私が好きなアーティストというのは、やたらにパワーステーションでライブをやることが多い。マンスリーやらウィークリーやら、そういや十番勝負とかいうのをやったアーティストもいたな。 そのパワステで、アップル&ペアーズが、初めてライブを行う。しかも、「ライブ¥999」と題された、ワンマン・ライブ。 お客さんは入るのだろうか?メンバーは緊張したりしないだろうか? ちょっと心配になりつつも、めちゃくちゃ期待している自分がいた。仕事で無期限の地方出張の真っ最中にも関わらず、ライブに合わせて東京へ帰ることにしてしまったくらいだ。 オレの気合は充分だぞ。 開演時刻の30分程前に楽屋へ顔を出す。くだらない話で盛り上がりつつも、多少は緊張してるんだろうな……といった面持ちのメンバー。私もちょっと、緊張している。 しかし、この緊張感、なんだか凄く心地よい。 この日のステージ、私は途切れ途切れでしか、観ることが出来なかった。 その細切れの記憶の中のメンバーは、やっぱり少しだけ、カタくなっていた。そのカタさが客席にまで伝染っしまっていて、でもそれがなんだか微笑ましくって、私は一人、ステージと客席を交互に眺めながら、笑っていた。 初のパワステ・ワンマンが、成功だったかどうかは、私には解らない。 というより、ライブの成功が何を指すのか、私には解らない。 だが、とにかく、a&pの連中は、今夜のステージをやってのけた。 その事実だけで、良いのではないか。 終演後の楽屋は、関係者でごった返していた。 廊下で一人、ぼんやりしているしかない私は、ちょっとだけメンバーが遠くなったように思っていた。 でも、それでいいのだ。 もっともっと、ずぅっと遠くに走って行ってもらわなきゃ。 そのスタートラインが、パワステのステージに引かれていたのが見えた。 |